すわほうじん154号
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スィーツオアシスにようこそ〈菓子歳時記〉その19郷土菓子と中学生のご近所さん法人会会員「岡谷精良軒」 原昭徳気に入っているマンガがある。ストーリーとは直接関係はないが、物語を厚くするエッセンスとして地方の銘菓が登場する。山梨のあの黒蜜きな粉餅や旅好きの方なら知っているだろう岩手の黄味あんの焼き菓子など。きっと地元の方が読まれたらオッと思うはず。お菓子ではないが日本酒の真澄が、チラリと描かれていたりもしている。先日、地元の小宮の御柱祭があった。雨降る日もあったが、無事曳行することができた。この秋は、仕事も休みの日も御柱(関連)で、だいぶいつもの御柱年の感じがあった。その日その日で大小の直会も。そのうちの一つで、隣組がいっしょの      ご家族とたまたま同じテーブルになった。その日はお母さんとお子さん二人で、ご近所さんではあるが、お子さんとは数回あいさつを交わしたくらい。今回今中学生だと初めて知った。となりがお兄ちゃんだったのだが、なかなかちょうど良い会話が見つからない。せっかくの機会だし、お母さんに話してもいいですかと断ってから、どんなマンガが好きなのか聞いてみた。母曰く、家ではマンガとゲームばかりとのことだったので。兄弟で話し合ったあと、ちょっとうつむいた感じでそっと教えてくれた。手塚治虫の名作、親御さんの職業とも似るキャラが登場する。とっても模範解答。いつかの自分を思い出したりもした。会は盛り上がった。多くの皆にとって久しぶりの宴ではなかったか。最後に万歳三唱などがあった後お開きになり、夕暮れ前の町をそれぞれ帰路に。そのときふと思った。地元のお菓子を知っているか食べたことはあるか、たずねればよかったと。一体なんと答えてくれただろうか。そもそも和菓子を食べたことはどうか。そんなことをぼんやりと考えながら僕は、そこかしこで風に揺れる御柱の町飾りを見ながら歩いていた。地元の小宮祭山出し、早朝御柱の待つ山へ。高速道路岡谷ジャンクションを見下ろす松本支社/長野県松本市本庄1-3-10 (大同生命松本ビル3F)TEL 0263-32-0829

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