すわほうじん152号
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−8税額控除【令和3年度改正】【令和4年度改正】ここに注意! 令和4年3月31日までに開始する事業年度の申告は、令和3年度改正が適用されます。令和3年度改正の上乗せ措置(上図※1②)には、決算終了までに経営力向上計画の認定を受ける必要があるので、早めの準備を! 所得拡大促進税制とは、給与等支給額が前年度実績と比較して一定割合以上増加した場合に、その増加額の一部を法人税額から控除できるという制度です。 新型コロナの影響により中小企業の経営環境が悪化し、賃上げのみならず雇用の維持への懸念も広がっている状況が続いている中で、ポストコロナを見据え、賃上げだけでなく、雇用を増加させる企業を下支えする観点から、令和3年度税制改正において抜本的に見直しがされています。そして、令和4年度税制改正においても積極的な賃上げ等を促すための措置として、税額控除率の上乗せ措置の見直しが行われています。今回は、中小企業における所得拡大促進税制に係る令和3年度と令和4年度の改正を紹介していきます。【改正内容比較表】 ・上記①の要件を判定する場合には、雇用調整助成金及びこれに類するものの額を控除しない ・税額控除率を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用調整助成金及びこれ 適用要件及び税額控除率を次のとおりとする見直しを行った上、その適用を2年延長する。①適用要件及び税額控除率の上乗せ措置要件のうち、増加割合の判定で用いる給与等を継続雇用者に限定せず、すべての国内従業員に支払った雇用者給与等支給額により判定するように見直す。②給与等の支給額から控除する「給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額」について、その範囲を明確化するとともに、次の見直しを行う。に類するものの額を控除して計算した金額を上限とする この改正は令和3年4月1日以降に開始する事業年度から適用される。 税額控除率の上乗せ措置を次のとおりとする見直しを行った上、その適用期限を1年延長する。①雇用者給与等支給額の比較雇用者給与等支給額に対する増加割合が2.5%以上である場合には、税額控除率に15%を加算する。②教育訓練費の額の比較教育訓練費の額に対する増加割合が10%以上である場合には、税額控除率に10%を加算する。 この改正は令和4年4月1日から令和6年3月31日までの間に開始する事業年度において適用される。適用要件最大控除率基本上乗せ控除上限額適用期日すわほうじん 第152号 (第三種郵便物認可) 令和4年5月1日発行かつ関東信越税理士会諏訪支部税理士 永由 恒司※1 教育訓練費増加等の要件とは次のいずれかの要件を満たす場合をいいます。   ①教育訓練費の対前年度増加率10%以上    ②中小企業等経営強化法の認定にかかる計画における経営力向上の証明(令和4年度改正により廃止)※2 令和4年度改正により当初適用期日が見直されています。(賃上げ)(教育訓練)+10%従前継続雇用者給与等支給額:対前年度増加率1.5%以上雇用者給与等支給額:対前年度を上回る控除率最大25%雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%継続雇用者給与等の対前年度増加率が2.5%以上教育訓練費増加等の要件※1の充足法人税額の20%を限度令和3年度改正雇用者給与等支給額:対前年度増加率1.5%以上控除率最大25%雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%雇用者給与等の対前年度増加率が2.5%以上+10%教育訓練費増加等の要件※1の充足法人税額の20%を限度かつ令和3年4月1日から令和4年3月31日までに開始する各事業年度に適用※2令和4年4月1日から令和6年3月31日までに開始する各事業年度に適用:対前年度増加率1.5%以上雇用者給与等支給額の対前年度増加額の15%雇用者給与等の+15%+10%法人税額の20%を限度令和4年度改正雇用者給与等支給額控除率最大40%対前年度増加率が2.5%以上教育訓練費の対前年度増加率10%以上中小企業における所得拡大促進税制がさらに使いやすくなりました!税理士会コーナー知って納得!教えて税理士さん!

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