すわほうじん152号
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スィーツオアシスにようこそ〈菓子歳時記〉その17値上げの電話で法人会会員「岡谷精良軒」 原昭徳先日、取り引きのある京都の業者さんの社長から、話したいと電話がかかってきた。いつもなら、私でなくても済むはずなのに。3月初旬年度替りを前に、そんな感じの電話が何件か続いていたので、受話器を手にとる前からだいたい話の内容の予想ができた。ビジネスマナー的あいさつが終わると、その業者さんはこう切り出した。「原材料の高騰がもうずっと続いており……」ああっやっぱり。「流通コストも増加しておりまして」ですよね。「社内において経費削減、合理化を進めてまいりましたが、それも限界になり」そうでしょうそうでしょう、うちもそうです。     これはもう一会社の話ではなく世の中全体のことだと、重々承知していたので、そのまま同意するつもりで聞いていたら、もう一つ話題が広がった。ただ上がってないものもございまして、と前置きしてその社長はこう言葉を続けた。「一つ目は、米です」そうですね米は、輸入ではありませんからね。米粉も含めて今まだ大丈夫です。「二つ目は、配送用のバンドです」そうですか。これはプラスチック、石油製品のような気がするのですが、上がってないとのこと。などと考えているうちに、次に話は進んで行き。「三つ目は、わたしのこづかいです。きびしいご時世であります……」なるほど。ここで、落としたかったのですね。さすが関西の方だなあと。(実際は関西弁(京都弁?)でもっとこう滑らかな感じ。)きちんと笑いを忘れないで、気持ちに遊びを残してる。とてもいいなあと思いました。少し前になるが地元の経済講演会後の懇親会のときにも、同じような経験があった。たまたまその講師の近くで話を聞いていたらおもしろいことを話されて、プッと私が噴き出すと、受けた?と先生。この方も関西出身だった。経営に関する本もたくさん出されている著名な方でも、笑いが大事な要素なんだなあと、深く感じ入ったのを覚えている。さくら餅も葉桜に。「葉桜のさくら餅」暑くなる手前まで販売予定です

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