すわほうじん151号
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8 令和4年1月1日より改正「電子帳簿保存法」がスタートしました。これは、すべての法人(個人事業主も)が関係する法律です。趣旨は、「経済社会のデジタル化を踏まえ、経理の電子化による生産性の向上、記帳水準の向上等に資するため…」法律の改正等が行われ、手続等について抜本的な見直しがなされました。平たく言うと「これだけ世の中がデジタル化され、会社の経理もパソコン(ソフト)を使い、段々手書きの帳面や請求書等の書類が少なくなってきているので、これからは紙での保存をしなくても良いですよ。保管場所も困るでしょうし…。だから比較的簡単に電子データ保存をしても良いように要件を緩和しました」といったところでしょうか。電子帳簿保存法自体は、20年以上前からありましたが、あまりにも要件が厳しく、実用的ではありませんでした。 その内容は、大きく3つに区分されています。① 電子帳簿・電子書類保存 現在保存が義務づけられている「帳簿」(例:仕訳帳、総勘定元帳、経費帳、売上帳、仕入帳等)や「書類」(例:損益計算書・貸借対照表等の決算関係書類、見積書、請求書、納品書、領収書等の控え)を一定の要件を満たせば、プリントアウトせずに電子データのまま保存してもOKです。開始に当たって特別な手続きは、必要ありません。市販の会計ソフトは、ほとんど対応していると思われます。② スキャナ保存 現在保存が義務づけられている「相手から受け取った書類」、または「相手に渡した書類の写し」(例:契約書、見積書、注文書、納品書、検収書、請求書、領収書等)を一定の要件の下で紙のままでなくスキャナ(スマホやデジカメでも)で読み取った電子データの形式で保存してもOKです。開始に当たって特別な手続きは、原則必要ありません。ペーパーレス化促進のためデータ保存すれば、紙の書類は破棄しても構いません。(保存したパソコンの故障等でデータが消滅する可能性もあることから当分の間、紙の保存もしたほうが無難かもしれませんが)③ 電子取引データ保存 現在「送付・受領した電子データの書類」(例:請求書、領収書、契約書、見積書等)は紙に印刷して保存していましたが、電子データでの保存しか認められなくなりました。上記①と②は任意のタイミングで始められますが、③「電子取引データ保存」については義務化されました。ただし、令和5年12月31日まではプリントアウトして保存し、税務調査等の際に提示・提出できれば、今まで通り紙で保存しても大丈夫です。令和6年1月1日からは完全義務化され、紙での保存が認められなくなります。直前になって慌てないよう今から準備を始めましょう。※電子取引とは、EDI取引、インターネット等による取引、電子メールで取引情報を受け渡しする取引のこと。※保存場所は、パソコン、CD、DVD、USBメモリ、クラウド(ストレージ)サービス等詳しくは、国税庁 電子帳簿保存法 で 検索すわほうじん 第151号 (第三種郵便物認可) 令和4年2月1日発行国税庁 電子帳簿保存法パンフレットより関東信越税理士会諏訪支部税理士 瀬戸 雅三改正「電子帳簿保存法」がスタートしました!税理士会コーナー知って納得!教えて税理士さん!

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