すわほうじん143号
12/12

松本支社 諏訪営業所/長野県諏訪市沖田町3-15 フロンティアビル3FTEL 0266-58-7888〈菓子歳時記〉その8はまると   癖になる味法人会会員「岡谷 精良軒」 原 昭徳スィーツオアシスにようこそ本年新春の上生菓子。中央は花びら餅で、横にとび出ているのは蜜漬けしたごぼう 昨年の秋、ラグビーワールドカップが日本で開催された。初の八強入りという結果は、みなさまもう充分にご存じだと思う。その盛り上がりぶりは、本紙前号の編集後記にも。 この国際大会で僕が興味を引かれたのは、南半球諸国の活躍だった。ほかのスポーツやニュースでもあまり見かけることのない国々も、いわゆる先進国に勝っていく。その国々で暮らす人々に思いをはせた。それともう一つ思い出したのが、オーストラリアの試合をテレビで見ているときだった。その強豪軍団のユニホームは黄色。あっ!ベジマイトの瓶も黄色だったなあと。 オーストラリアの国民食ともいわれるベジマイト。ニュージーランドでも人気があるらしい。見た目はこげ茶色で、チョコレートペーストのように見えるが、味は塩辛い発酵食品だ。パンにぬるのが定番で、スープなどの隠し味にも使われるとのこと。初めて出会ったのは留学した友人からのお土産だった。そのときは不幸にもそのままそれだけで食べてしまい、あえなく撃沈だった。ずいぶんたってから輸入食材の買える店で思い出して、国民食といわれるくらいだから美味しいはずと買いなおした。ときどき忘れたころにマイブームがやってくる。今回オージーのユニフォームを見て、また朝パンにぬっている(少量がおすすめ)。 本稿でとりあげるからお菓子的な考察が必要だろうと、何に似ているか考えてみた。お菓子をはずせば、みそか塩辛か。大徳寺納豆はどうだろう。純粋にお菓子ではないが、それが入った「らくがん」などはある。京都大徳寺が発祥で、納豆といっても黒く乾いた感じだ。こちらも塩辛い。らくがんなどでは砂糖の甘味がそれを中和し、なんとも雅な味になる。 どちらも地域に根ざした味で、はまると癖になる味かも。

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る