すわほうじん132号
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5.所得拡大促進税制の見直し 企業の賃上げに対するインセンティブを強化するため、所得拡大促進税制の税額控除が拡充されます。同税制は、基準事業年度(平成24年度)の給与等支給額と比較し、適用年度の給与等支給額が一定割合以上増加している場合に、その増加額の10%を税額控除できる制度です。 見直しでは、企業が前年度比で2%以上賃上げをした場合、現行の10%税額控除に加え、前年度からの増加額については、大企業は2%上乗せした12%税額控除、中小企業は12%上乗せした22%税額控除が適用できます。 なお、賃上げ率が2%未満の場合、大企業は同税制の適用が受けられなくなりますが、中小企業は平均給与等支給額が前事業年度を上回っていれば、現行の10%税額控除が受けられます。【総額型】①税額控除率は試験研究費の増減に応じ6~14%の範囲で変動(中小法人12~17%)。②控除限度額は法人税額の25%(一般試験研究費)。 中小法人は10%上乗せ(増加率5%超の場合)。※ また、試験研究費が平均売上金額の10%超の場合は0~10%上乗せ。※ (※)高水準型との選択適用③対象となる試験研究は、従来の要件に加え、データ等を分析・活用する新たなサービス開発を追加。【増加型】:廃止【高水準型】:2年間延長研究開発税制の概要所得拡大促進税制の概要<中小企業・賃上げ2%以上の場合>適用時期 平成29年4月1日以後に開始する事業年度について適用されます。前年度比2%以上H24H25H26H27H28H29基準事業年度▲前年度からの増加分新たな22%控除現行の10%控除平成24年度の給与等支給額の総額2%増2%増3%増3%増3%以上増適用時期 平成29年4月1日以後に開始する事業年度について適用されます。6.定期同額給与の範囲の見直し 役員給与について、法令等の改正により期中の税や社会保険料に変更があった場合、手取り額に増減が生じないよう支給額を変更すると定期同額給与として認められませんでしたが、定期同額給与の範囲に、税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額が同額である定期給与が加えられます。 この範囲の見直しにより、期中に税や社会保険料に変動があった際、源泉徴収等の後の金額、いわゆる手取り額を変えずに役員給与を支給する場合でも定期同額給与として認められます。適用時期 平成29年4月1日以後に支給等をする給与について適用されます。(単位は万円)本人の給与収入配偶者の給与収入103万円以下150万円以下155万円以下160万円以下167万円以下175万円以下183万円以下190万円以下197万円以下201万円以下201万円超1120万円以下1170万円以下1220万円以下1220万円超3838363126211611634826262421181411842321313121197642116納税者本人の所得制限により適用なし納税者本人の所得制限により適用なし配偶者控除控除対象配偶者老人控除対象配偶者配偶者特別控除配偶者の給与収入が適用上限額を超えているため適用なし 所得税関係1 配偶者控除・配偶者特別控除の見直し 働き方が様々な面で多様化しているなか、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築するために、配偶者控除・配偶者特別控除が見直されます。 配偶者控除では、納税者本人に所得制限を設け、合計所得金額が900万円(給与収入1120万円)から控除額を段階的に減らし、合計所得金額1000万円(給与収入1220万円)を適用上限額とする仕組みとされます。また、配偶者特別控除の要件となる配偶者の合計所得金額の適用範囲が現行の38万円超76万円未満(給与収入103万円超141万円未満)から38万円超123万円以下(給与収入103万円超201万円以下)に見直されます。適用時期 平成30年分以後の所得税、平成31年度分以後の個人住民税について適用されます。3すわほうじん 第132号 (第三種郵便物認可) 平成29年5月1日発行

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