すわほうじん132号
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法人税関係 中小企業者等の生産性向上につながる設備投資を支援するため、取得等をした機械装置等が「生産性向上設備(A類型)」や「収益力強化設備(B類型)」に該当する場合に適用できる中小企業投資促進税制の上乗せ措置(即時償却等)を改組し、器具備品と建物附属設備を対象設備に追加した中小企業経営強化税制が新たに創設されます。同税制の適用には、中小企業等経営強化法の認定が必要となります。 また、機械装置等の対象設備を取得等をした場合に適用できる中小企業投資促進税制の適用期限が2年間延長されます。ただし、器具備品は、中小企業投資促進税制の対象設備から除外されます。4.研究開発税制等の見直し あらゆる業種の研究開発投資を後押しするため、試験研究費の定義を見直し、収集したデータを分析・活用する新たなサービス開発に係る試験研究費が支援対象に追加されます。例えば、気象情報を分析した自然災害予測の通知サービス、個人の健康データを分析し健康維持サポート情報の配信などが考えられています。 また、「総額型」の税額控除率が見直され、試験研究費の増減率に応じて税額控除率を6~14%の範囲(現行:8~10%)で変動する仕組みとされます。 このほか、上乗せ措置については、「試験研究費の増加額に係る税額控除(増加型)」を廃止した上で、「平均売上金額の10%を超える試験研究費に係る税額控除(高水準型)」の適用期限が、2年間延長されます。 中小企業者等(所得金額が年間800万円以下)の法人税率19%を15%に軽減する特例の適用期限が2年間延長されます。適用時期適用時期 平成31年3月31日まで適用期限が延長されます。平成29年度税制改正のあらまし中小企業投資促進税制の概要中小企業経営強化税制の概要類型要件対象設備確認者税制措置生産性向上設備(A類型)収益力強化設備(B類型)①中小企業等経営強化法の認定②生産性が旧モデル比 年平均1%以上向上①中小企業等経営強化法の認定②投資収益率が年平均5%以上の投資計画に係る設備・機械装置(160万円以上、販売開始10年以内)・測定工具・検査工具(30万円以上、販売開始5年以内)・器具備品(30万円以上、販売開始6年以内)・建物附属設備(60万円以上、販売開始14年以内)・ソフトウェア(70万円以上、販売開始5年以内)工業会等経済産業局即時償却又は7%税額控除(資本金3000万円以下もしくは個人事業主は10%)の選択適用税制措置・個人事業主、資本金3000万円以下の中小企業 30%特別償却又は7%税額控除の選択適用・資本金3000万円超の中小企業 30%特別償却対象設備・機械装置(1台160万円以上)・測定工具及び検査工具(1台120万円以上又はその事業年度で1台30万円以上かつ複数合計120万円以上)・一定のソフトウェア(一の取得価額が70万円以上又はその事業年度の複数合計70万円以上)・貨物自動車(車両総重量3.5トン以上)・内航船舶(取得価格の75%が対象)適用時期 平成29年4月1日から平成31年3月31日までに取得等をして事業に供した場合に適用されます。2.中小企業者等に係る法人税の 軽減税率の延長 大企業並みの多額の所得を得ながら中小法人課税の対象となっている企業が存在することを踏まえ、過去3事業年度の平均所得金額が15億円を超える事業年度について、中小企業向けの租税特別措置の適用が停止されます。3.中小企業向け租税特別措置の停止措置主な中小企業向け租税特別措置①中小企業技術基盤強化税制(研究開発税制)②中小企業等の貸倒引当金の特例③中小企業者等に係る法人税の軽減税率(税率19%→15%)④中小企業投資促進税制⑤中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入制度の特例 等(※)なお、③~⑤については、平成31年3月31日以前に適用期限を迎えますが、今後の税制改正で適用期限が延長された場合、該当する企業は、租税特別措置の適用が停止されます。 平成31年4月1日以後に開始する事業年度から適用が停止されます。1.中小企業経営強化税制の創設と   中小企業投資促進税制の延長 与党の「平成29年度税制改正大綱」が平成28年度12月22日に閣議決定され、29年3月27日、国税と地方税の平成29年度税制改正法が可決・成立しました。今回の改正では、中小企業向け税制や事業承継に関する見直し等法人会の提言事項の一部が盛り込まれました。本年度は、安倍内閣が掲げる、一億総活躍社会の実現に向けての「働き方改革」と「イノベーション」がキーワードです。2すわほうじん 第132号 (第三種郵便物認可) 平成29年5月1日発行

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